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29 10月, 2016

アトリエ・オイ監修「USMイノスボックス」を使った長山智美スタイリングのUSMショールーム空間

スイスを代表する家具メーカー、USMモジュラーファニチャーは、10月26日よりオリジナルアクセサリーボックス「USMイノスボックス(アトリエ・オイ監修)」の国内発売を開始。東京デザインウィーク中、長山智美氏がインテリアスタイリングを手掛けた空間となっている丸の内の直営ショールームに行って来ました。


家族のリビングでの収納例。
こげ茶、ベージュ、オレンジをメインカラーに、サボテンなどのラテンアイテムで楽しい雰囲気。

今回ショールームの照明は通常の40%ほどに落としてある。長山さんによる細やかなディレクションで、よりリアルな生活空間を体感できる。

新商品「USMイノスボックス」オフィスでの使用例。USMハラーと互換性のあるサイズ展開なので、ハラーユニットに収納しても、単体としても使用することが可能。

色はライトグレー、アントラサイトの2色。サイズは大きさ2種類、高さ2種類の4種類がある。ポリエステルのフリース素材。

USMハラーに実際にUSMイノスボックスを目一杯いれた様子。色やサイズを自由に組み合わせて自分だけの棚をつくることができる。

階段室を挟んだ壁際のディスプレイは、家族それぞれのライフスタイルに合わせた収納例。

こちらは旅と写真を撮ること好きなお父さんを想定した棚。


編み物が趣味のお母さんの収納棚。

ディバイダーを使えばこまごました裁縫用具もすっきり。

子どものための収納。
取っ手がついていて手押しにもなるので、好きな玩具を入れて運べばどこでも遊び空間になる。


長山智美さん。「テーマはリビングとオフィスです。家族それぞれのための収納スタイリングでは、実際に写真や裁縫をしている方の道具をお借りしました。今回USMとガーデニングという初と思われるスタイリングにも挑戦していますので、ぜひショールムーで探してみてください」

特別展示期間: 2016年10月26日(水)~11月7日(月)
会場: USM丸の内直営ショールーム
営業時間: 月-日11:00〜19:00 (祝日を除く)
www.usm.com

東京デザインウィーク期間中、hhstyle.com青山店ではミラノサローネ2016で発表したUSMイノスボックスのインスタレーションが再現されています。

【関連記事】
USM50周年記念レセプションと長谷川豪参加のプロジェクト展示
「スイスデザイン展」レポート/東京オペラシティアートギャラリー


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19 10月, 2016

「トラフ展 インサイド・アウト」レポート/TOTOギャラリー・間

TOTOギャラリー・間で10月15日から開催の「トラフ展 インサイド・アウト」のプレス内覧会に行ってきました。

 展覧会概要:「インサイド・アウト」と名づけられた本展は、初期作品から数々の会場構成、プロダクツ、そして最新の住宅プロジェクト「Big T」(2016年)に至るまで、その完成形をスタディの過程、試行錯誤する中で手がかりとなったもの、インスピレーションを受けた素材などとともに展示することで、創る過程をも楽しむトラフのアタマの中をのぞき、思考の過程を追体験いただだける内容となります。是非、トラフの思考法に触れ、これからの建築や都市の有り様を探っていただくきっかけとしていただければ幸いです。(オフィシャルサイトより)


 3階展示室に入ると大きな展示台が1台。その上はおもちゃ箱をひっくり返したような賑やかさだ。


 一つ一つを眺めると、トラフがデザインし、見たことのあるプロダクトや建築模型のほか、奇妙な形をした植物、何かのサンプル、古い日用雑貨などが置かれている。
オブジェクトの傍らには番号が振ってあり、入場の際もらうハンドアウトにそれが何か説明されており、その数は100個。1番はハンドアウトそのもので今回の作品の一つ。「本展を宝探しのように、発見的に読み解くガイドブック」と書かれている。

 さらに展示台のオブジェクトを縫うようにNゲージの線路が敷設されており、模型の列車 "トラフ号" がその上を静かに走っている。
これらがトラフのお二人の頭の中の世界を表現しているそうだが、ここまでで来場者は今ひとつピンとこない展示と感じるのではないだろうか。

 もやもやした気分で3階中庭に出ると、展示室と同じ幅のテーブルが連続するように置かれ、3階と4階との接続領域として存在している。これから東京中で始まるデザインウィーク、「歩き疲れたらここで座って休憩してもらえる場所」でもあるそうだ。


 中庭には大きな石が常設されているのだが、よく見ると目が描かれているではないか。この石が以前から魚に見えるような気がしていたそうで、目を描いたら正に魚に。すると周りは水に見えてきて、テーブルは波に浸食されたような形になって、周囲には空や海の青を見立てた。


 青いシートは近付くと建設現場でよく使われる養生シートだった。プリーツ加工して二枚重ねると不思議なモアレが現れている。
安東陽子とのコラボレーション。

 中庭の頭上には防虫ネット。水中から水面を見上げたようなきらめきでもあり、風になびけば空気を可視化する装置となる。


 4階展示室は映画館のようになって、ムービー “インサイド・アウト” が流れている。前から後ろにかけて徐々に高くなる 段々ベンチが設えてあり見やすい。
藤森泰司とのコラボレーション。

 プレスカンファレンスではこのムービーをトラフの二人が解説してくれた。
ムービーは3階の展示台を走る列車にカメラを載せて撮影されたものだ。

 視点が全く変わったことにより、展示台の小さなオブジェクトがヒューマンスケールに変わり、置かれたモノが一気に建築物のように見えてくるのだ。


 脈絡なく置かれていたようなオブジェクトは、概ね時系列的にトラフのプロジェクトを順に表現しており、時折ムービーが停止し、二人のナレーションによる解説が流れる。


 列車は展示台の下にも潜り込み、地下世界を見せてくれる。
ムービーは15分程あるので是非会場で。
そしてムービーを見終えたところで「なるほど3階の展示主旨が分かった」となって、再び3階へ戻るのだ。

 ここがムービーのスタート地点。「メッシュのトンネルを抜けると二人の顔が見えたなあ」と思い出す。


 トラフ号はオブジェクトや作品のスタディ、イメージを抜けたり、、、


 実作の中を走ったり、、、


 ひとの目線では到底見ることのできない世界を駆け、、、


 ときには建築模型の中を走ることで、空間を疑似体験しながら様々な情景を見せてくれる、という趣向だった!


 この展覧会、前回のスミルハン・ラディック展終了後1ヶ月の間隔を開けてあるのだが、終了後1週間、つまり本展開始の3週間前には設営を完了するというギャラ間史上最速の設営期間だったそうだ。その理由は設営後鉄道模型で撮影し、それを編集・加工するために3週間は必要で、ムービーの完成をもって展示の完成を迎えるということだったのだ。
ムービー制作はWOW inc. による。

 とはいえ展示台上の制作はトラフのオフィスでかなり前から進行していて、この台がしばらくオフィスを占領し、打合せは外で行わなければならなかったそうだ。


 石巻工房〈カラフルな AAスツール〉 
その上には〈事務所のカレンダー〉。トラフで13年間同じシリーズを使い続けているもの2004年の12月を見ると、事務所創設まもなく仕事がまばらだった様子が分かる。


 トラフの代表作〈空気の器 のスタディ
時系列で開発の様子が分かる。

 〈スカイデッキ〉 こんな所にも展示作品があるのでお見逃しなく。


 そして今回は3・4階の展示室を飛び出し、ギャラ間のビル全体で展示されているのだ。
2階Bookshop TOTOに〈コロロデスク〉や、、、

 ギャラ間限定〈空気の器 TOTOギャラリー・間オリジナルデザイン〉は水をテーマにデザインされている。


 1階・地下1階のセラトレーディング・ショールームでは〈空気の器 インスタレーション使った空気の器は900個という。


 100番目の作品はどこだろうか?
ギャラ間を出ようとする直前に探してみてください。

 そして長年ギャラ間の代表を務めた遠藤信行さん退任に伴い、新代表に就任した筏久美子さん。


「より開かれたギャラリーに。単なる展示の場だけでなく、多くの人の交流点にしていきたいと思っています。」と新代表。数年ぶりに内覧会でのパーティーが開催された。


 鈴野浩一さん(右)と、禿真哉さん(左)。
「プロダクトから建築まで色々手掛けていますが、単なる回顧展にはしたくないと思いました。様々なものが建築やデザインのヒントになっています。スケールを変えること、視点をかえることで見えるもの、感じるものが変わっていく体験をしていただければと思います。」

展覧会に合わせTOTO出版より刊行された〈トラフ建築設計事務所 インサイド・アウト〉。タイトル通り「表と裏」をひっくり返すように、少し視点を変えてみることで生み出された42作品を紹介。ムービーの中にも時折でてくる「ぼうや」を探すのも楽しみのひとつ。
ブックデザイン含むグラフィックデザインは中村至男による。

【トラフ展 インサイド・アウト】
会期:2016年10月15日〜12月11日
会場:TOTOギャラリー・間
詳細:www.toto.co.jp/gallerma/ex161015/index.htm

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