6月8日より始まった、伊藤暁(伊藤暁建築設計事務所)初の個展「具体的な建築」展に行ってきました。会場は南青山のプリズミックギャラリー。
[Satoru Ito solo exhibition at Prismic Gallery]
伊藤さんはなぜこれらを撮ったのかということを考えるようになったが、現時点で理由が明らかになったわけではないし、その理由もまた変化し続けている。しかしこの観察を通して現代的に建築を考える手がかりを多く得ているという。
会場には「気候・風土」、「地形」、「振舞い」、「素材」、「時間」、「技術」、「機能」、「小屋」、「架構」といったキーワードに分類された "抽象的ではない" "具体的" な建築要素が並ぶ。
近代化や、経済論理から取り残されたようなものたちは、我々を日常取り巻いている変化とはタイムスパンが異なるだけで、ひとつひとつは様々な時間への応答の結果だということに気付かされる。
各々に素直さ、工夫、切実さなどががある。
じっくり観察すると、それらは具体的で、その場所で生活を持続させるための営為の現れであることが見えてくる。
「神山町のように、近代から取り残された場所に身を投じると、近代が何を外側に追いやってきたのか、何を見落としてきたのか、何をなかったことにしてきたのかを点検することの有効性が気になってくる、、
そこには、地形や植生、気候風土、手に入る素材やそれを加工する技術などといった、実に具体的なものが転がっている。近代という、社会を抽象的に捉えることをエンジンとしていた時代には扱いきれなかったこれらの具体的なものたちを改めて引き寄せることで、時代の刹那にからめ捕られない建築を見出すことができるのではないかと考えている。」と伊藤さん。
伊藤暁さん「建築を考えるヒントはそこかしこにあると考えています。建築の設計を、こうした工夫や切実さの延長線上として取り組むことができるのではないか、という思い共有できれば嬉しいです。」
【伊藤暁 – 具体的な建築 展】
・会期:2018年6月8日~7月23日
・会場:プリズミックギャラリー(東京都港区南青山4-1-9 1F)
・詳細:www.prismic.co.jp/gallery
・関連イベント:青木弘司、藤野高志を迎えたトーク
7月1日、16時〜18時
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