総工費の高騰が問題となっている2020年東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場のデザイン選考について、審査委員長を務めた建築家の安藤忠雄氏が11日、日本テレビ系「ウェークアップ!ぷらす」で問題が浮上後、初めてコメントし、下村博文文部科学相の「ずさん」発言に反発した。
日本を代表する建築家として新国立競技場の国際デザイン・コンクールの審査委員長を務めながら、2,520億円にまで膨張した総工費の問題について沈黙を貫いてきた安藤氏が、ついに口を開いた。
6月の講演後、取材陣の直撃にだんまりを決め込み、今月7日の有識者会議も「日程の調整がつかない」と欠席した安藤氏。番組では、司会を務めるキャスターの辛坊治郎さん宛てにファクスを送るという形で、コメントを出した。
ファクスには「コンペの与条件としての予算は1,300億円であり、応募者も認識しています。提出物には建築コストについても示すように求められていました。それは当然評価の一つの指標となりました」と明記。下村文科相が10日の会見で「値段(総工費)とデザインを別々にしていたとしたら、ずさんだと思う」と発言したことに反発した。
辛坊さんによると、安藤氏は「デザイン決定後の基本設計や実施設計には、審査委員会はかかわっていない」と説明。また、2,520億円という金額に関しては「辛坊ちゃん、何でこんなに増えてるのか、分からへんねん!」と驚いていたという。ただ、安藤氏は有識者会議のメンバーでもあり、総工費の膨張を確認できなかったことには疑問も残る。
辛坊さんは安藤氏について「しゃべりたい気持ちは満々らしいが、周囲から止められているらしい」と気持ちを“代弁”。この日、スポーツ報知の取材に安藤氏の事務所スタッフは「本人が不在で対応できません」とした。
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