藤野高志/生物建築舎 (Takashi Fujino / Ikimono Architects) によるオフィス兼ゲストハウス「鹿手袋の離れ」のオープンハウスに行ってきました。埼京線武蔵浦和駅より徒歩10分程の場所。
旧家の大きな敷地に建つ。
生物建築舎のオフィス "天神山のアトリエ” を彷彿させるファサード。
敷地に入ってみると巨大な庇が待っていた。
建物の平面は7.2m×9.9m。庇は4.5m突き出している。
住居部分のボリュームには大きな開口が両面上下に4つ、全て同じ大きさで2.35m×4m。
庇と柱、そして露出した基礎によってフレーミングされる景色が楽しめる。
1階の居室には大開口から出入りし、左からは浴室へ。2階へは階段を使うが、2階にはトイレがないので一度外へ出て、1階の居室へ。
大きな庇は内と外の両方の性格を持っている。住居部分で行動が完結せず、庇の空間を常に感じられるようにこのようなレイアウトにした。
ようやく室内へ。1階はオフィススペース。内々の幅は2.3mしかないうえに両面の大開口は、空間を何となく仕切るだけの雰囲気で水槽の中にいるような気分だ。
シンプルで心地良い存在感のステップ。奥の木製扉はトイレ。
トイレの扉は180度開き姿見に変わる。
トイレの裏側に浴室。
2階はゲストルーム。キッチンも備わる。
奥には寝室スペース。家具はクローゼットだ。
右に見えるのが母屋であり本家。ことある毎に親戚がたくさん集まるが、母屋の中=屋内だけでなくこの半屋外も集いの場になるようにした。
庇の下の地面はこの後、真砂土を突き固めて仕上げる。
屋上は微妙に傾斜が付いており、雨水はデッキ下の1箇所に集められ、前出のかめに導かれる。
隣には2〜3ヶ月後に竣工予定の長屋。同じく生物建築舎の設計で進めている。
建物の高さが奥に向かって低くなっている。これにより建物間の隙間に現れる空の見え方が変わってくるという。
藤野高志さん。「母屋とは異なる一族の集いの場としてこの大きな庇を提案しました。住居側のボリュームを小さくし、庇を中心とした動線や、庇の向こうに見える母屋の存在や関係性を、内と外の性格を持つこの庇で繋ぎ、離れとして完結してしまわないようにしました。」
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