木下昌大 (Masahiro Kinoshita / KINO architects) による東京都練馬区の住宅「ダンダンイエ」を見学してきました。西武池袋線 石神井公園駅より徒歩12分程の住宅地。
建ぺい率の低い地域で、一昔前の手前のような住宅ではそれによって広い敷地に庭を持ち近隣との距離を保つことが出来たが、近年の世代交代による土地の分筆は、壁一枚で街路に接するという奥に続く住宅街の風景を生み出してきた。
そのような風景に逆らわずゆとりと採光を得るためのアイデアだ。
左から階段室、リビング、バルコニーへと広がっていきながらセットバックする。
中央の引戸が玄関で、右の扉は後ほど。
1階寝室。将来的には主寝室と子供室に分割することも計画。
駐車スペースから見えた扉の内側は光庭になっていた。
しっかりとした玄関扉を流用し自転車なども入れられる。
寝室の奥にはもう一つの階段室。
さらに後ろに下がると奥の個室(子供室)。左の窪みには造り付けのデスクがある。
将来分割され出来た子供室と、こちらの子供室へは2階のリビングを通ってこの階段で降りてこないとアプローチできなくなる仕組みだ。
玄関横の階段室から2階へ。
2階LDK。上がると「なるほどこうなっているのか」と思わず言ってしまう。
バルコニーの奥行きは80cm程だがグレーチングを張り、1階へ光を導く光庭としては十分な効果がある。
このようなちょっとした内と外を繋ぐ緩衝帯設けることで、アクティビティの幅が広がる。
2階の奥は水回り。その上はロフト。
センターにはキッチンとダイニングを一つの島にした。ジャスパー・モリソンの〈Pipe Chair〉に合うテーブルはオリジナルで製作した。(後に天板は椅子の座面に合う木目にする)
梁にはダウンライト用にライティングレールが付けてある。
西を向いた妻面は表情が豊か。
バルコニーに出てみると景色は路地の先に連続することが分かる。妻面に開口を設ければ視線は遠くに抜けるが、逆に遠くから見られるほど室内の奥まで見通されるというネガティブさもあるためここでは開口しなかった。
梁にはダウンライト用にライティングレールが付けてある。
西を向いた妻面は表情が豊か。
施主からは明るく白い室内を求められたという。床はアッシュ材、天井はラワン合板に半透明の白を塗装し真っ白にはせず、床、壁、天井のコントラストのバランスを取った。
木下昌大さん。「建築はその内部と外部を程よく繋ぎ、程よく切り離すためにあります。ここではだんだんセットバックで程よい距離をつくり出し、高密度な都市に住まう一つのプロトタイプとしました。」
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