プロデュースは広告代理店のサン・アドで、ブランディングプロジェクトの一環として、前田さんが店舗デザインを依頼された。
[Oji Salmon Ginza]
[Oji Salmon Ginza]
前田さんにとって東京での初プロジェクトだ。
ファサードはアルマイト処理されたアルミに見えるが、近付くとステンレスのホット材だった。熱間圧延したままの材で滑らかな梨地が自然なムラを見せている。
ヨーロッパ風の支柱から吊り下げられていた既存看板は、鮭のマークだけを抜き出し行灯にした。
行灯は店舗両側の角についているので店は見付けやすい。
店内に入るとウォームホワイトの空間中央に曲線を描く陳列台と、壁面に埋め込まれた陳列棚、そして右側にカウンター。
以前の店内は対面式のカウンターが横に長く設置され、客の動きは左右だけだったが今回は回遊型にし自由に店内を見て回れる。
サーモンのオレンジが映えるようシルバーと白のシンプルな空間に。しかし単なる白ではなく、複数の素材による温かみのある高級感漂う白。
陳列台にはサーモンに良く合うお勧めワインも並ぶ。
存在感のあるオリジナルショーケースは思わず引き寄せられのぞき込んでしまう。
カウンター背後の窓からは厨房が見え、サーモンを切り分けるライブ感を演出。
外が内に連続する前田さん特有のデザインはここに。
紅鮭、時鮭、キングサーモン、アトランティックサーモン、フィヨルドサーモンと、5種類の鮭で造り上げた銀座店限定のサーモン製品は今回サン・アドが手掛けたパッケージに収まる。
手提げ袋のデザインも一新。銀座を持ち歩いてもステータスを感じられるようにしたそうだ。
銀座の街並みを眺めながらイートインも可能。
筆者は "キングサーモンの西京漬けおにぎり” をいただいたが、これが鮭のおにぎりか、と思わず唸る重厚な味(!)
応接室には造り付けのソファ。前田さんの作品 “群峰の森/COSMIC” でのデザインを踏襲。
前田圭介さん「洗練された銀座の魚屋だったらこのような感じかな、とイメージし、魯山人の言葉『器は料理の着物』にあるように、商品と一体となりながら引き立てることができれば良いなと思いながらデザインしました。」
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