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22 3月, 2016

納谷建築設計事務所による中野の集合住宅「PROTO passo」

納谷建築設計事務所が設計を手掛けた集合住宅「PROTO passo(プロトパッソ)」の内覧会に行って来ました。場所は西武新宿線新井薬師駅から5分程の場所。
敷地面積144m2、建築面積101m2、延床面積397m2。RC造、地上4階。全8住戸。

 敷地間口は約6m、奥にいくに連れ約9mまで台形状に広がっており、且つ斜めに接道している周囲の建物は敷地に対してファサード面を敷地のどの角度を基準にするかで様々に向いているのが分かる。

建物の名称にあるパッソとはイタリア語で「ステップ、足音」という意味。大階段で2階まで上がり、その先の吹き抜け階段がさらに4階まで続いている。「奥行きのある細長い敷地であるため、前面道路から連続してヴォイドに導かれ、ヴォイドが自由に空間を導いていきます」と納谷学さん。
街と建物が連続しているようなイメージだ。
PROTO PASSOは納谷建築設計事務所が手掛けてきた集合住宅PROTOシリーズの3棟目に当たり、すべて近隣に位置している。

大階段の見返し。
デザインされた郵便受けがアクセントになっている。

階段の左右にそれぞれ部屋がある。


201号室へ。
見上げると吹き抜け状の共有部は半屋外空間だ。

201号室。玄関を入って直ぐの開口からは大階段の先まで見通すことができる。左側に見えるのはLDK。
壁はOSBに半透明の白を塗装し仕上げられている。壁の仕上げは各住戸で変えている。

202号室の壁はシナ合板。
目の前には小学校があり、グラウンドの木々が借景となっている。

3階は吹き抜けの階段室に浮かぶような渡り廊下を挟んで、筆者背後の301号室と、302・303号室が向かい合う。

301号室はメゾネットタイプ。壁はOSBにクリア塗装。

上階はダイニングキッチンとバルコニー。

302号室。杉板型枠の木目を現したコンクリートの界壁で303号室と隔てられている。
入居者は可動式の収納を自由にレイアウトできる。

ダイニングと寝室を分ける間仕切りとして使うことも出来るし、壁に寄せてワンルームにもすることもできる。


間口一杯の大開口。

玄関方向を振返る。303号室と空間を融通し合うため壁が折れ曲がっている。

303号室は開口側に外部大階段の上を利用した1.5層分の高さを有し、上にスキップしたロフトを持つ。間口2mの細長い住戸。

段差で生まれる多様な居場所。

2.5階部分。階段の上にキッチンが見える。

4階は401号室の一住戸のみ。北側斜線の屋根がいかにも影響ありそうな住戸、一体室内はどうなっているだろうか。

401号室。傾斜天井にはグラデーションのラグが張ってあり柔らかい雰囲気に。

黒系のグラデーションも(寝室)

三面採光で明るい。左はバルコニー。

1階には2室あり、こちらは102号室。木毛セメント板で仕上げ。事務所利用を想定している。

階段の下は駐輪場になっていた。

「このエリアはいわゆる画一的な一人暮らし用部屋がすでに飽和状態です。8住戸あれば、8通りの生活があるはず。この集合住宅には同じ部屋はありませんので、様々なライフスタイルを送ってもらえると思います」と納谷学さん。

建築:納谷学+新/納谷建築設計事務所
構造設計:かい構造設計
施工:江中建設 株式会社


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