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05 9月, 2017

田井勝馬による横浜の「下永谷の家」

田井勝馬(田井勝馬建築設計工房)による横浜の二世帯住宅「下永谷の家」を見学してきました。
二世帯が住まう母屋の建て替えと、さらに離れを増築した。


母屋:敷地面積806m2、延床面積403m2。離れ:敷地面積304m2、延床面積70m2。
この地に古くからある旧家で、年に何度かは親戚一同が数十人が集まる本家。二代前が建てた母屋が老朽化したため建て替えた。


アプローチを上ってもなかなか建物が見えてこない。


門扉を抜けると来訪者を迎えるように両腕を広げたエントランスが現れた。


堂々たる構え。まずは左の塀により仕切られた庭に回ってみる。


張ったばかりの芝に面して威厳のある屋敷がが全貌を現した。伸びやかな2段の庇が印象的だ。


芝を挟んで向かいには既存の植栽が茂り、春には右に見える桜がこの庭の表情を一変させる。この桜は施主が生まれたときに植えられたそうだ。


エントランス。杉板型枠の重厚なRC壁が外からそのまま屋内に連続している。右手には4帖ほどもあるシューズクローゼット。
前述したように親戚が集まるときは30〜40人になるため、このサイズの玄関や大型のシューズクローゼットが必要になるのだ。


玄関から左を向くと、たっぷりの気積を持つエントランスホール。応接間、リビングと続く。
一階が施主である親世帯、2階が子世帯。


応接間は客を通すための屋敷には欠かせない要素。


リビングダイニング。大人数用のダイニングテーブルが2〜3台置けるよう、広さは約55m2ある。
折上げ天井に間接照明、天井・床共にチークで仕上げ、本家としての格式も大切にした。


ガラス引戸は8枚。両側に寄せることができる。

庭には大きくデッキテラスを設けBBQなどもできるようにした。その幅13m。
左奥に1.5mほどの高低差をもって離れが見える。


掘り下げのリビングに低めの作り付けソファーに腰を下ろすと、折上げ天井も相まってさらに空間が広く感じられる。


2階の子世帯へ。


エントランスホールを見返す。

子世帯は中央に家具を配置し、左にLDK。右に廊下を挟んで個室や水回り、クローゼットが一直線に並ぶ。


手前からリビング、ダイニング、キッチンエリアと連続するワンルームのLDK。


正にアイランドキッチン。ミーレのIHを選択。
開口の幅は約20m。


1階はRC造だが、2階は鉄骨造。鉄骨の柱に寄せ棟の屋根をフワッと乗せたような格好だ。


バルコニーは2階を半周囲っている。


子供室。リビング側の収納家具上部に設えた照明を点灯した。欄間にはガラスが入っている。


主寝室。隣にはウォークインクローゼット。


洗面室。


トイレは洗面室の雰囲気を踏襲。


入浴が大好きだという子世帯のご主人。すっかり長湯ができる仕様になっている。


シャワー・水栓はハンスグローエ。


1階へ戻り、第2エントランス。敷地裏手に大きな駐車場があり、車での来客者はこちらを使う。


駐車場からのアプローチと母屋を繋ぐ屋根。


アプローチは車椅子に対応しスロープに。


スロープを上がると離れと駐車場に。
離れは平屋の2LDK。世代交代によって移り住める様に、隠居生活に対応したバリアフリー住宅として建てた。


落ち着いた柔らかな光が差し込むリビングダイニング。


茶室。竹林が風情たっぷりだ。

田井勝馬さん。「家督を継いだお施主さんの強い意志を感じる住宅です。ここには次の世代と、さらに次の世代、つまり親子そして孫へ三代100年住まうことができるよう計画しました。」

【下永谷の家】
設計監理:田井勝馬建築設計工房(田井勝馬、柏原創)
構造設計:野村基建築構造設計
照明設計:リップルデザイン
施工:キクシマ


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