廣部剛司 (Takeshi Hirobe Architects) による東京・調布市の住宅「L → i(L to i)」のオープンハウスに行ってきました。[L to i by Takeshi Hirobe]
敷地は都市計画道路に面し、将来的に道路拡幅の対象になっているため計画予定線が敷地のほぼ中央を走る。だが道路拡幅はいつ施工されるか分からないので、計画部分を取り壊しの必要に迫られても良いような設計にした。
親世帯はここでそば屋を営んでいたが建て替えを機に引退した。しかしまたいつでも小さなそば屋ができるように計画予定線にかかる部分を平屋にし、店舗への改修が可能になるようにした。
1階のグレーチング右側が子世帯の玄関、左側くぐり扉(見学時扉は未施工)からは親世帯への玄関へ。
前庭にアオダモが植わる親世帯側から入ってみる。
入ると飲食店とも、家庭のダイニングとも取れる雰囲気。厨房も以前使っていた業務用機器が納まり、いつでもそば屋が再開できそうだ。しばらくはダイニングとして日々の食事や、家族・友人が集まる場として使用する。
右側は土間から小上がりで居室に。寝室も兼ねるので引戸で仕切ることができる。
反対側を見ると、入ってきた玄関とその左から子世帯の玄関へ通じている。
ここに人々が集う様子が想像できる。
2階・3階の子世帯へ上がる階段室。手摺には船舶用ロープを使用。
2階はリビング、ダイニング、キッチンがコンパクトにまとまる。
階段室と並行しキッチン。右奥は物干し用の小さなバルコニー。右手前の丸パイプは料理中に腰掛けることもできる。
水回りはリビング・ダイニングを挟んだ反対側。
約12畳あるルーフバルコニー。
建物のボリュームと比べアンバランスともいえる広さのバルコニーだが、計画道路部分を有効活用するために生まれた空間だ。
3階主寝室・子供室。低い家具は可動式で子供の成長に合わせてレイアウトできる。左の引戸内はクローゼット。窓際には机が作り付けられている。
寝室反対側。
廣部剛司さん。「 “ L ” と “ i ”は建物の断面形状で、現状といつか訪れるかもしれない計画道路施工後の姿です。何十年後かに平屋部分がなくなったとしても、残った1階はテナントとして使う等、長期的に起こる街や家族の変遷、それらを緩やかに許容し柔軟に対応していく建築として設計しました。」
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